厚生労働省は六日、工芸や工業などの各分野で卓越した技能を持つ「現代の名工」の本年度の受賞者を発表した。県内からは表具師の野原尚二さん(73)=南砺市=一人が選ばれた。表彰式は九日に東京都内で開かれる。
祖父が始めた表具店、野原尚美堂(南砺市井波)の三代目。美術大進学を希望したが後を継ぐ兄弟がおらず、末っ子ながら高校卒業後、京都の老舗で三年間修業した。幼いころに父の仕事場で、木片とナイフで工作をしていたせいか、覚えが早く、「おまえみたいな泥棒(技の習得者)は初めて見た」と親方を驚かせた。
金箔(きんぱく)を使う技法や古画の修復に優れ、独創性のある表装が得意。趣味で描いたアユの絵は「自分の思い通りの表装に仕上げられる」。定番の表装も、柄やしまの幅を左右対称にするなど細部まで気を配る。
古い軸の修復は細かい作業の連続で根気がいるが、修復後の達成感が喜びとなる。「手抜きはいかん。納得できるものにせな」と仕事に向き合う。県表装展で最高賞を獲得し、審査員になっても「『百パーセントできた』と言えず歯がゆい」と技能を磨き続けている。
近年は仕事も同業者も激減。「名工とは恐れ多いが、今まで思っていたことを言う機会に」と、床の間のない現代住宅にも合うデザインの追求と業界挙げての異業種交流を訴える。関係団体の役員も務め、「若い人は皆弟子」と技術の伝承にも力を入れる。 (松村裕子)
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独創的な技 伝承にも力 現代の名工に表具師・野原さん(73) - 中日新聞
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