米与党・共和党は21日、野党・民主党のジョー・バイデン次期大統領がミシガン州の大統領選で勝ったという結果の認定を2週間延期するよう、同州選挙管理委員会に求めた。またトランプ陣営はジョージア州で、あらめて再集計を行うよう要求した。一方でペンシルヴェニア州では連邦地裁が、数百万の郵便票を無効にするよう求めるトランプ陣営の訴えを棄却した。
3日の大統領選の結果、バイデン氏は当選に必要な選挙人270人以上の306人を獲得した見通しで、通常の大統領選ならば、このまま来年1月20日に第46代アメリカ大統領として就任する。しかし、ドナルド・トランプ大統領は、圧勝したのは自分だと主張を続け、自分が負けたとされる複数の州で大掛かりな不正投票があったとして、各地の裁判所や各州政府・議会に対する働きかけを続けている。
ペンシルヴェニア州では
選挙人20人を擁する激戦州ペンシルヴェニアでは、開票率100%でバイデン氏が8万1000票以上の差でリードしている。
この状況でトランプ陣営は同州の連邦地裁に、民主党多数の郡では有権者に投票用紙上の間違いの修正を認めたものの、共和党多数の郡ではこれが行われたかったことが「違憲」だとして、複数の州の投票を無効にするように訴えた。
これに対して、マシュー・ブラン連邦判事(共和党支持者)はこの訴えを棄却。判決文でブラン判事はトランプ陣営は「700万人近い有権者の権利を奪おうとした」と指摘。「選挙においてそれほど極端な救済を求めるならば、相当に説得力のある法的な論理展開や具体的証拠を揃えてくるものと予想」されるものの、実際にはそうではなく、「法的根拠のない、無理のある法的主張や憶測」を法廷に提示し、「証拠の裏づけも提示しなかった」と、判決理由を説明した。
判事はさらに、トランプ陣営の主張は「手当たり次第に雑につなぎ合わせた」「フランケンシュタインの怪物」のようで、「アメリカ合衆国において、これでは、たった1人の有権者の権利を奪う理由にさえならない。ましてや、人口6番目の州の有権者全員となれば、なおさらだ」と書き、同陣営の同一内容の訴えを今後は「偏見なしに見ることはできない」と強く批判した。
陣営の法廷戦略を指揮しているトランプ氏の私設弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏は、控訴する方針を示し、「連邦地裁がすばやく判断を示したおかげで、速やかに連邦最高裁にたどりつきたい我々の戦略の助けになった」と声明で述べた。この訴訟については、複数の法律事務所がすでにトランプ陣営の代理人を辞任しており、ジュリアーニ弁護士が自ら法廷で陳述していた。
トランプ氏に敗北を認めるよう求める声は与党・共和党からは一握りの議員を除き、これまでほとんど出ていない。しかし、ペンシルヴェニア連邦地裁のこの判決を受けて、同州選出のパット・トゥーミー上院議員(共和党)は、同州でのトランプ氏の法的選択肢はこれで尽きたとして、選挙結果を受け入れるよう呼びかけた。
ミシガン州では
共和党がミシガン州選管に、結果認定の延期を求めたことについて、州政府はただちに、それは違法だと反論した。同州では結果認定の締め切りが23日に迫っている。バイデン氏は15万4000票差で同州で勝ち、選挙人16人を獲得する見通しで、全国の選挙人538人のうち306人を獲得したとされている。
これに対してミシガン州の州務省はただちにこれに反論し、認定の締め切り延長は州法違反になると拒否した。また、選挙に勝ったのは自分で大規模な不正投票があったとするドナルド・トランプ大統領の主張や、それを擁護する地元共和党の訴えを、「まったく根拠がない」と否定している。
共和党員2人と民主党員2人の委員からなる同州選管は23日に会合し、選挙結果を認定する予定。同委員会の判断は同州の州務長官と州知事による承認が必要で、ミシガン州ではその2人とも民主党所属のため、相当の理由がなければ認定を遅らせる可能性は低い。
バイデン氏が15万4000票差で奪還したミシガン州の結果認定については17日にも、ウェイン郡の票認定をめぐり地元選管が紛糾(ふんきゅう)した。トランプ氏は共和党員の委員に直接電話して働きかけたほか、共和党の州議会議員をホワイトハウスに呼び寄せた。
ジョージア州では
ジョージア州によると、バイデン氏の得票数は247万4507票、トランプ氏は246万1837票。1万2670票差で同州のバイデン氏の勝利が確定した。
これについてトランプ陣営は21日、またジョージア州で再集計をするよう要求した。得票率の差が0.5%以内の場合、同州では公費による再集計が要求できる。両候補の差は0.26%だった。トランプ陣営は「すべての合法的な票を数えるべく、ジョージア州法と合衆国憲法のあらゆる規定に従うよう」要求しており、投票用紙の署名の照合などを求めている。
これを受けてバイデン陣営は、たとえ再集計をしてもトランプ氏がジョージア州で3回にわたり負け続けるだけだと反応した。
前回の再集計は、結果が僅差だったため、州法にもとづき自動的に行われた。
同州の再集計については、トランプ氏と親しい共和党重鎮のリンジー・グレアム上院司法委員長が、ラッフェンスパーガー州務長官に電話をして、一部の票を無効にできないか問い合わせたと州務長官が明らかにした。グレアム議員は、電話したのは上院補選に関する問い合わせだったと説明している。
なぜ混乱が続くのか
バイデン氏は、当選に必要な選挙人270人以上を獲得した情勢。さらに全国の得票数ではトランプ氏に600万票近い差をつけている。
一方のトランプ氏と共和党は、この結果は大規模な不正によるもので、圧勝したのはトランプ氏だと主張し続けている。トランプ陣営や共和党関係者が各地の法廷でも訴訟を提起しているものの、ペンシルヴェニア州連邦地裁への提訴をはじめ、そのほとんどが証拠不十分などの理由で訴えが棄却されたり、原告が訴えを取り下げたりしている。
こうした混乱のなか、トランプ氏は政権移行手続きの開始を認めず、そのためバイデン陣営は通常ならば政権移行チームが利用できるはずの連邦政府の施設や予算を使えずにいる。また、次期大統領をはじめ次期政権チームに共有されるはずの機密情報など重要情報を得られずにいる。新型コロナウイルスのワクチン供給計画に関する情報も得られていないとして、バイデン氏は人命にかかわりかねない事態だと批判している。
他方でツイッター社は21日、合衆国大統領の公式アカウント「@POTUS」を来年1月20日にバイデン氏に引き渡すと発表した。トランプ氏のツイートはほとんどが個人アカウントからのもので、この大統領アカウントではない。ただしツイッター社は、これまでトランプ氏のツイートが同社の利用規約に違反しても、アメリカ大統領だからという理由で特例扱いしてきたが、今後民間人に戻れば他のアカウントと同様に扱う可能性を示唆している。
トランプ陣営は州議会に働きかけ
全国的な得票数ではバイデン氏が約600万票リードしているが、アメリカの大統領は全国的な得票数では決まらない。
各州の人口などをもとに割り当てられた選挙人計538人(連邦上下両院の定数合計に、首都ワシントンの代表3人を加えたもの)が、12月14日に各州で大統領候補に直接投票する。過半数270人の票を獲得した候補が当選する。バイデン氏が獲得した選挙人は306人、トランプ氏は232人となっている。
各州がそれぞれの選挙結果を認定する最終期限は、12月8日。
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これを受けて各州の選挙人が12月14日に首都ワシントンに集まり、大統領候補に直接投票する。この投票結果を1月6日に連邦議会の上下両院合同本会議が開票し、その時点で次期大統領が正式に決まる。
各州の選挙人は11月3日の大統領選の結果に沿って、自分の州で勝った候補に投票するのが通常の手続き。選挙結果を受けて、勝った側の党が選挙人を決める州もあれば、選挙前に各党が選挙人候補を指名し、選挙結果を受けて州知事が任命する場合もある。
通常の手続きでは、たとえばミシガン州の選挙人16人は全員がバイデン氏に投票する。11月3日の選挙の結果を受けて、選挙人538人のうち、306人がバイデン氏、232人がトランプ氏に投票する。
しかし、トランプ陣営は敗れた州のうち、共和党多数の州議会に働きかけることで、11月の選挙結果とは無関係に、トランプ氏に投票する選挙人を任命しようとしているのではないかと言われている。
連邦法によると、もしも州の有権者が「選択をしなかった」場合は、州議会が選挙人を選ぶことができることになっている。
ただし、有権者が「選択をしなかった」と立証するのは困難で、トランプ陣営はこれまでのところ大規模な不正があったと法廷で立証できずにいる。
トランプ陣営は今後もミシガン州のほか、共和党が州議会で多数のウィスコンシンとペンシルヴェニア両州で、州議会に働きかける可能性がある。ウィスコンシン州ではすでに、部分的な再集計を要求している。
米CBSニュースによると、トランプ氏はペンシルヴェニアの州議会議員と協議したい意向を示しているという。
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November 22, 2020 at 05:18PM
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【米大統領選2020】 トランプ陣営、開票結果の認定延期や再々集計を要求 法廷は訴え棄却 - BBCニュース
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